「頭が良くなる思考術」を読んで頭が良くなりつつ思考する

図書館から借りて以下の本を読んだ.

頭がよくなる思考術

頭がよくなる思考術

55個の章からなる.以下に今回心にササッた章を挙げる.

7 動きながら考えよ
机はものを書く場所としてあるのであって,考える場所としてはあまり向いていない.(略)

最近机でウンウン考えてもなんにも答えが出てこずに困っていた.研究室近くの池の周り,並木通りを歩いてみようか.
京都みたいに哲学の道みたいな安全に歩ける路があればいいけど,名古屋では東山動植物園内の散策道くらいかな.

17 他人の思惑を気にするな
(略)現実を生きるために排除すべきは,くだらない思いや意見を持っている他人ではなく,自分が事実だと思い込んでいる妄想なのである.

心配事は自分の心が生んだ妄想で,そういった妄想にかかずらわっていないで,現実に向き合いましょうという言葉.他人の人生を生きるな,という言葉で言われることもある.

26 心に触れるものに価値を置け
(略)たとえは芸術は物としては何の価値もない.けれども,その表現が心や精神に触れてくるから,わたしたちはそこに他にはない価値を見出しているわけだ.
(略)どんな心の思いも精神も,顔つきや姿勢や歩き方や言葉や行いに出てくるのがふつうなのだ.
それこそが人間が相手にしたり価値を見出すものである.物や金銭は道具にすぎない.

人の持ち物だったり,車や家や高価なバッグや洋服をついつい欲しがってしまうものだけど,そういう卑しい根性ではなく,もっと心が揺さぶられるようなものに価値を見出す美意識を持たないといけない.芸術家,音楽家と呼ばれる人がどのように世界を観察しているのだろう,最近気になっている.

55 わからないことから逃げるな
わからないことにぶつかってウンウン苦しむ.
それこそが芸術の輝きであり,同時に人間の輝きでもある.
本人はしんどいのだけれども,人間としてはそのつど生まれ変わっているから新鮮で美しいのだ.

わかったと思ったら,その倍のわからないことに出会う.日々,わからないことだらけ.だけど,少しずつ分かっていくのが面白いから,続けられる.「分かる」という言葉は,もとは「世界を分ける」,つまりあるものとあるものを区別して認識することからきた言葉だと言う.少しずつ分かることと分からないことを分けていく,これが大事なのだろう.